祖母の家

いってきた、まぁおばあちゃんに顔見せするだけって
カンジかな。多少、山の木を整理するのを手伝ったりとか、
色々掃除手伝ったりとか。何故か5万もくれた。
けどまぁ、もうあんまり行きたくないってカンジかな・・
親父には悪いが・・あの地にいい思い出ないしな・・。
それになにかと気遣う・・やっぱ田舎は俺には向いてない・・
シャワーだって好きな時間に浴びたいし、食いたいもんを
食いたい時に食いたいしな。あれ食べなさいこれ食べなさい、
っていうのは好きじゃないし。
あと1番嫌なのは虫かな。冬にゴキブリって・・
ありえないにも程がある。
親父もいたし、かえって気遣う。
親父は自分の子供が、自分の出生地嫌いになること自体が、
きっとすごく嫌なのだろう。

おばあちゃんの中では時間が止まっている。
小さい頃、夏休みしかこれなかった少年の俺は
カブトムシとスイカに夢中だった。けど今は・・ってカンジ。
俺の1つ上の従兄弟は結婚→離婚→アル中（しかも子持ち）
ですよ・・・。俺もこんなんだし。
けれど、おばあちゃんの腰は昔から曲がっている。
何も変わらない。
俺の子供の頃の話を目を細めて話す・・
けれど俺は、就学前の潮干狩りの話なんか、覚えちゃいねー。
近所のおばあさんも、20年も前からおばあさんのまま。
気がついた時はおばあさんだったという。
あそこは完璧時間がストップしてる。
身体が少し気持ち悪い。
だからおばあちゃんやお父さんには悪いけど、
帰りの車が出発した時、少し安心してしまうんだ。

おばあちゃん喜ぶし、ごくたまにならいいかな・・。

・・・
俺には帰るところもない。引越しまくり転校しまくり
だったから。
自分が家族を将来持つときがきたら、どこへ帰省するんだろう。